遺品整理を業者に依頼する前に、問い合わせから作業当日までの流れを知っておくことで、トラブルを防ぎ安心して依頼することができます。

ここでは、遺品整理を依頼する際の一般的な流れについてご紹介します。

1．問い合わせ

まずは遺品整理業者への問い合わせが必要です。電話やメールで連絡し、現地調査と見積もりの日程を決めます。処分できるか心配なものがあるなど、疑問に思うことや不安に思うことは遠慮しないで聞いてください。

2．見積もり

約束の日時に業者が現地へ訪問し、整理するものの量のほか、マンションやアパートの場合にはエレベーターの有無、トラックを駐車するスペースなどの確認を行います。

見積もりが正確に行われないと、作業終了後に追加料金を請求される場合もあるので注意が必要です。見積もりで提示された金額以外に、追加料金が発生する可能性があるかなども含めて確認しましょう。

3．契約

見積もりの明細と作業の内容を比較し、納得ができれば契約へと進みます。契約が成立したら、作業の日時を決めます。

4．作業

作業を行う前に、養生などの準備が必要です。大がかりな作業が必要な場合には、現場責任者が近所に挨拶に行く場合もあります。作業が始まると、大切なものを不用品扱いにして処分してしまわないために、丁寧に仕分けが行われます。探してほしいものや処分してほしくないものがあれば、必ず伝えるようにしましょう。搬出後は清掃をして完了です。

5．支払い

作業が完了したら、部屋の状態や貴重品などを確認して、支払いを行います。買取可能なものがあった場合には、身分証明書の提示が必要になることもあるので事前に確認しておきましょう。

遺品整理の作業はすべて業者が行うので、依頼者が搬出などを手伝う必要はありません。しかし、事前準備は必要です。ここでは、作業前の事前準備について解説します。

遺品整理を行うことを親族に連絡する

遺品を勝手に処分してしまうと、親族間でトラブルが起きる可能性もあります。遺品整理をすることを事前に連絡しておきましょう。

貴重品を探す

貴重品だけでも先に探しておくと、当日探す手間が省けるため作業がスムーズに進み、依頼者も安心できるでしょう。しかし、すべての貴重品を探すことができなくても、遺品整理業者は貴重品を見つけたらきちんと分別して報告してくれるので問題ありません。本の間や引き出しの裏側など、家族も見つけられなかったものを業者が見つけるケースもあるのです。

分別をする

身内に形見分けをするものや重要書類などは、ほかの遺品に紛れてしまわないように分けておきましょう。そのほか、処分するものはわかりやすくまとめるなど、分別しておくことがおすすめです。当日の作業時間も短縮されるため、時間制の業者なら費用の節約にもなります。

遺品整理業者に依頼したいけど、トラブルが起きないか心配という方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、漠然と「何か問題が発生するのでは？」と考えていても何も解決しません。実際にどのようなトラブルが起きているのかを知ることで、対策を立てることができます。

遺品整理業者とのトラブルには、以下のようなケースが考えられます。

追加料金

複数の遺品整理業者に見積もりを依頼し、一番安い業者に依頼したのに当日追加料金がかかったというケースもあります。階段を使っての搬出やエアコンの取り外し、家具の解体などが追加料金として計算されてしまうこともあるのです。

ぼったくり

特に女性が一人で依頼をする場合、不当な価格での契約を迫る業者に注意が必要です。断ろうとすると強く迫られて仕方なく契約してしまい、クーリングオフできない状況になってしまうというケースもあります。

買取額が安い

骨董品などの買取で、依頼者が価値をわかっていない場合は注意が必要です。骨董品の買取価格が数千円だった場合でも、価値がわからないと特に疑問に思うことはないでしょう。しかし、後日その業者がインターネットで数十万の値段をつけて販売していたというケースもあります。

盗難

遺品整理業者のほとんどは、誠心誠意仕事をしています。貴重品を発見した場合には依頼者に報告し、貴重品なのか判断できない場合には必ず依頼者に相談します。しかし、中には見つけた貴重品をこっそりと持ち帰ってしまう業者もいます。

不法投棄

遺品整理業者の中には不法投棄を行う業者もいます。回収した不用品を正規の方法で処理するのではなく、山の中などに廃棄してしまうのです。依頼者に害はないように思われるかもしれませんが、廃棄した人だけでなく、所持していた人も不法投棄の責任を問われてしまうので注意が必要です。

上記でご紹介したように、遺品整理業者とのトラブルには大小問わず様々なものがあります。しかし、回避方法を知り、実行することで防げることもあります。ここでは、トラブルの回避方法について解説するので、ぜひチェックしてみてください。

見積もりは複数の業者に依頼！

複数の業者に依頼すれば、相場を把握できます。見積もりで提示された金額が安い場合には、お得感があるでしょう。しかし、ほかの業者と比べて安すぎる場合は注意が必要です。作業が完了してから追加料金を請求されるケースや、回収した不用品を不法投棄するケースがあります。安いからといって即決しないで、見積もりの内訳など安い理由を説明してもらいましょう。

電話やメールのみで依頼しない！

電話やメールだけで現地を見ないで見積もりを出す業者の場合、追加料金を請求される可能性があります。業者の料金設定や見積もりが不確かな場合は、電話やメールだけで契約しないようにしましょう。

また、問い合わせただけで強引に契約を迫る業者は、訪問の見積もりも断るようにしましょう。

見積書もチェック！

見積書には、何にいくらかかるのか詳細が記載されています。見積書に詳細が書かれていない場合、追加料金を請求されることもあるのです。作業内容と料金が明瞭かどうか、追加料金やキャンセル料についても事前に確認しておくことが大切です。

業者の情報は詳細まで調べる！

通常業者のホームページには、所在地や代表者の氏名、所持する資格などがわかりやすく記載されています。ホームページに業者に関する情報が少ない場合や、そもそもホームページがない業者には注意が必要です。情報を公開しないということは、それなりの理由があると疑ってよいでしょう。

貴重品や残したいものは事前に仕分けする！

貴重品などの盗難が不安な方は、事前にそれだけ探して保管しておきましょう。また、必要なものを間違って処分しないよう、残すものと処分するものを事前に分けておくのもおすすめです。

買取実績のある業者へ依頼する！

適切な価格で買い取ってもらえるか不安な場合は、買取実績の多い、経験豊富な業者に依頼するのがおすすめです。

女性だけで対応しない！

ほとんどの遺品整理業者の場合は、訪問見積もりも作業当日も女性が一人で対応して問題ありません。しかし、女性が一人で対応したために、高すぎる見積もりを出されても強引に契約を迫られて断れなかったという例もあります。不安な方は、訪問見積もりや作業の日には家族や友人などに一緒にいてもらったほうがよいでしょう。